Think Clearlyで学ぶ、良い人生を過ごすための思考法
この記事は、僕が大好きな本、
「Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」で紹介されて入生いる「52の思考法」の中から、日本で生きる凡人が取り入れるべきおすすめの思考法『15個』を厳選して紹介します!!
先行き不透明なこれからの時代、Think clearlyの思考法を身につければ、より良い人生を過ごせる可能性はぐっと高まります。
「Think clearly」はどんな本?
Think clearlyは、よりよい人生を送るためにの様々な思考法を集めた本です。
本書の「おわりに」でも解説されていますが、52の思考法の主な出典は以下の3つです。
- 過去40年にわたる心理学研究の成果
- ストア派の思想(古代ギリシャの哲学の一派)
- 歴史的に有名な投資家の処世訓や思考法
これらの膨大な思考法の中から、よりよい人生を送るためのコツが選りすぐられたものです。
スイスのベストセラー作家、ロルフ・ドベリ氏により書かれた本で
ドイツで25万部を突破し、世界29か国で翻訳されたベストセラーです。
第1章「考えるより、行動しよう」
人生において自分が何を求めているかを知るには、何かを始めてみるのが一番だ。
Think clearly より
まず最初に書かれている考え方は
「考えてばかりじゃ何も進まないから、やってみようぜ!!そのほうが、絶対、良いから!!」
といったことが書かれています。
なぜ「とにかくやってみる」のがいいのか、理由はこんな感じです。
- 考えることのできる範囲なんて案外狭い
- 行動することでしか新たな気づきは得られない
- 考えているだけでは現実は「絶対」に変わらない
どれも、言われてみれば当然のことばかりですが
考えてばかりで行動に移せていないことって意外と多いものです。
もちろん、じっくりと考えることはとても大事なことです。
しかしThink clearlyの作者であるロルフ・ドベリ氏は「考えすぎること」について、「思考の飽和点」という言葉で表現しています。
頭の中で検討を重ねることに、意味がないわけではない。短期間でも集中して考えれば、とてつもなく大きな気づきがある。
しかし、時間とともに新たに得られる認識はどんどん小さくなり、すぐに思考は「飽和点」に達してしまう。
たしかに、いくら考えても同じようなところをグルグルと考え続けていることは結構あるかもしれません。
では、なぜ「考えてばかり」になってしまうのでしょう。
その答えはズバリ、「考えるほうが簡単だから」です。
Think clearlyにこう書いてあります。
率先して行動を起こすより、考えているだけのほうが気楽だ。
実行に移すよりぼんやりと思いをめぐらせているほうが、心地がいいのだ。
行動するよりも考えるだけのほうが楽なので、ついつい考え続けてしまうわけですね。
行動を起こすためには「行動を起こすことのメリット」を認識しておくことが大事です。
Think clearlyにはこう書いてあります。
考えているだけの人は現実とかかわらない。そのため、挫折する心配は一切ない。一方、行動する人は挫折のリスクと無縁ではないが、その代わり経験を積むことができる。
本書では、ピカソのこんな名言も引用されていました
何を描きたいかは、描きはじめてみなければわからない。
パブロ・ピカソ
あなたの「考えているだけで、行動に移せてないこと」はなんでしょうか。
考えすぎずに、ぜひやってみましょう。
第6章 戦略的に「頑固」になろう
「柔軟性」を褒めたたえるのはやめよう。柔軟一辺倒では、不満がつのり、疲れがたまり、気づかないうちにあなたは目標から遠ざかってしまう。
Think clearlyには、『長期的な目標を達成したいならば、「柔軟性」よりも「頑固さ」のほうが有利だ』と書かれています。
「徹底的な頑固さ」を貫いた人物として、Think clearlyにはこんな例がありました。
世界的に影響力のある経営思想家で、世界的なベストセラー『イノベーションのジレンマ』の著者として知られるクレイトン・クリステンセンは、いくつかの強い「誓約」の下に生活を送っている。
彼は、若い頃、人生の前半をキャリアのためだけに捧げ、人生の後半に金銭的な余裕が出来た後、家族とゆっくり過ごそうとする管理職の人間を、大勢みてきた。ただ、皮肉なことに、そう思ったときには過程はすでに崩壊してしまっているか、そうでなくとも子どもたちはとうに巣立ってしまったあとということが多かった。
そこで彼は誓約を立てることにした。「週末に仕事をしないこと」「平日は家で家族と夕食をともにすること」を自らに誓った。その誓約を守るため、クリステンセンは朝の三時に仕事に出ることもあったという。
このクリステンセンの行動をどう感じるでしょうか?
「仕事が忙しいときくらい、遅く帰る日があっても良いんじゃないか?」
と言う考えもあると思います。
しかし、やりすぎと言えるほど頑固な姿勢を貫くことは、長期的な目標を達成するために大きなメリットが2つあると書かれています。
Think clearlyには以下のような説明がありました。
ひとつ目は、何度も状況に応じて判断を繰り返すと、判断力が鈍って脳が疲れてしまい、最も安易な選択肢を選ぶようになるから。(脳の決断疲れと呼ばれる現象らしい)
毎日遅くまで、なんとなく働いてしまっているサラリーマンなんかは、意外と決断疲れが原因で、「とりあえず残る」というもっとも安易な選択をしているのではないかと、割と本気で思ってます。
ふたつ目は、頑固な姿勢をいつも貫いていれば、周囲からの評価が確立されるから。
いつも同じような姿勢やポリシーを貫いていれば、自然に周囲にから
「あ、こいつはこういうやつだな」
と思ってもらえるようになります。
以上、 Think clearlyの「戦略的に『頑固』になろう」についてでした。
あなたは、人生でどんな「誓約」を立てているでしょうか。
特にない人は、なんでもいいので「誓約」を立ててみてください。
第10章 謙虚さを心がけよう
あなたにとっても私にとっても、大事なのは幸運に恵まれたことへの「感謝」の念を忘れないこと。それに感謝の気持ちを持てば、すばらしい副次効果もついてくる。感謝の気持ちは人を幸せにしてくれるのだ。
この章では、よい人生を手に入れたければ、『謙虚であることがとても大事です』と、丁寧に解説されています。
その理由は
- あなたが日本に生まれたことも
- あなたの両親のもとに生まれたことも
- この時代に生まれたことも
- 今現在の自分の価値観や考え方も
すべてが、偶然の重なりで起きたことで、現在平和に暮らしていることは、とてつもない幸運に恵まれているからです。
何も宗教的な話をしているわけではありません。
Think clearlyにはこう書いてあります。
生まれたときに運命づけられる格差、前述の「卵巣の宝くじ」の対象になるのは、「生まれる国」だけではない。その国の、どの地域の、どの家庭に生まれるかも自分で選べない。
現在のあなたに有利にも不利にも働くあなた自身の価値観も、ものの見方も、思想も、あなたが自分で身につけたものではない。
すべては偶然の結果で、幸運に恵まれていると考えることができれば、常に謙虚な気持ちでいることができます。
謙虚な姿勢でいることができれば、突飛な行動をしなくなり、自然とどっしりとしたよい人生が送れるようになるはずです。
第13章 ものごとを全体的にとらえよう
自分の人生を、できるだけ距離を置いてとらえてみてほしい。いまはとても重要に思えるものが、全体図にはほとんど影響を与えないほどの小さな点になっていくのがわかるだろう。
この章では、フォーカシング・イリュージョンという「心の錯覚」に陥って、人生を無駄に浪費しないための考え方が紹介されています。
フォーカシング・イリュージョンについては、Think clearlyに次のように説明されています。
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンは、次のように説明している。フォーカシング・イリュージョンとは「特定のことについて集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のように思えても、実際にはあなたが思うほど重要なことでもなんでもない」という錯覚を表す言葉だと。
つまり、人生における「特定の要素」だけに意識を集中させると、その要素が人生に与える影響を大きく見積もり過ぎてしまう。
このフォーカシング・イリュージョンについては、知っているとめちゃくちゃ役に立ちます。
例えば、「大きな素敵な家に住みたい」にフォーカスしすぎちゃってる人は
- いつも家のことばかり考えているし
- いま、大きな素敵な家に住めていないのが毎日辛いし
- 張り切って大きな家を購入したとして、ローンが厳しい
- 「生活は大変だけど、家あるし幸せ!」(強がり)
みたいなバランスが取れていない感じになっちゃいます。
ここまで極端ではないにしても、車や仕事や私生活など、本当はそこまで重要でもないことを過大視しすぎて、バランスを崩してしまうことも結構あるんじゃないでしょうか。
そうならないために、自分が特定の要素だけに意識を集中させすぎていないか、意識して過ごして見ることをお勧めします。
第19章 SNSの評価から離れよう
世間の人々は、あなたについて好き勝手なことを書き、ツイートし、投稿する。あなたに隠れてひそひそ話をしたり、うわさ話をしたりする。あなたを極端に褒めあげたり、ひどい厄介ごとに巻きこんだりもする。どれも、あなたは全くコントロールできないことばかり、だが幸いなことに、コントロールする必要もないのだ。
SNSが普及して、誰でもツイッターやインスタやらフェイスブックをやってる時代です。
この章では、そんな世の中で
「SNSとか他人の評価なんて気にせずに、とにかく自分軸で生きようぜ!」
といったことが書かれています。
わたしたちが「他人の評価」を気にするのは、石器時代からDNAに深く刻まれた本能が原因だとして、こう書かれています。
私たちがこれほどまでに自分が「他人からどう思われているか」を気にするのは、人間の進化にその理由がある。〜中略〜「周りがあなたをどう思うか」は、あなたが思っているよりもずっと、どうでもいいことだ。自分の面目や評判や名声に傷がつくことを恐れるあなたの「感情のスイッチ」が、必要以上に強くセットされすぎているだけ。スイッチの設定が、いまだに石器時代のままなのだ。
そして、他人の評価から自由になったほうがいい理由が3つ挙げられています。
- 感情のジェットコースターに乗っている時間を節約できるから。(どんなに頑張っても他人の評判は操作できるものではないから)
- 面目や評判を気にしすぎると、自分が本当は何に幸せを感じるのかわからなくなってしまうから
- ストレスを感じていてはよい人生にならないから
他人の評価に常にさらされる世の中です。
といった自分軸の幸せをいっぱいもっておけば、きっと人生で楽しい時間が増えるはずです。
第21章 目標を立てよう
どうして、「目標」がこれほど大きな意味をもつのだろう?
答えは明確だ。なぜなら、目標を持っている人は、持っていない人より、目標達成のために努力しようとするからだ。それに、目標があれば、正しい決断を下しやすくなる。
この章では、人生における「目標を立てること」の重要性や目標を立てる際の注意点について書かれています。
まず、「目標」と「人生」についてどのような関係があるかについてですがアメリカの研究チームが行った、目標と幸福度の関係に関する調査について説明されていました。
調査はざっくりこんな感じです。
-
- 学生に「経済的な成功がどれくらい大事か」をアンケートし、数十年後の彼らの収入と幸福度を調査
- 事実1、経済的な成功を重視していたほうが、数十年後の所得額が多い
- 事実2、若い頃に高収入を稼ごうと目標を立て、その目標を達成した人は、人生に対する満足度が高い
- 事実3、経済的に成功したかったが出来なかった人は、人生に大きな不満を抱えていた
- 事実4、経済的に成功を目標にしていなかった人は、所得の高さは人生の満足度にほとんど影響を与えていなかった。
- つまり、人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標を達成できたかどうかで決まる。
いかがでしょうか?
しかし、逆に言えば
「自分で立てた目標を達成できなかったら、幸せじゃない」
ということにもなります。
だから、どんな目標にするかもしっかり考える必要があります。
この章には「人生の目標を立てる際のポイント」についても解説してあります。
ポイントは2つです。
ひとつ目は、非現実的な目標にしないこと。
本文にこう書いてあります。
ノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマンが指摘しているように「達成困難な目標を立てている人は人生に不満を感じるもの」だからだ。
ふたつ目は、目標をわざと少し曖昧にしておくこと。
本文にこう書いてあります。
目標を達成できればそれに越したことはないが、たとえ達成できなくても、目標が曖昧なら(すくなくとも部分的には)目標に達したと思うこともできるからだ。
まとめると
「人生に満足したければ、現実的に達成できそうな少しだけ具体的な目標を立てて、その目標を達成するために日々行動する」
といった感じになります。
目標があれば、あなたの日々の行動や選択は、目標に沿ったものになるはずです。
第27章 自分のポリシーをつらぬこう
どんな事情があろうと妥協できない、個人的な優先事項や主義の明確な領域を、私は(「能力の輪」にならって)「尊厳の輪」と呼んでいる。
Think clearlyの27,28,29章の3章にわたって
「尊厳の輪」を作って、それを守るのが、よい人生を送るために重要だ。
ということが書かれています。
「尊厳の輪」を作ることにどんな意味があるのか
「尊厳の輪」はあなたを
- より筋の通った論理
- あなたの信念を脅かす危険
- 悪魔との契約
この3つから守ってくれると書いてあります。
この章では、尊厳の輪は「合理的な説明」が出来なくてよいと説明されています。
本文にこうあります。
輪の中にあるものに、合理的な説明がつけられないのは、「尊厳の輪」の絶対条件だと言ってもよい。
〜中略〜
もし「尊厳の輪」の中にある主義主張を論理的に構築してしまうと、誰かがより筋の通った論理で、あなたの優先事項や主義や信念を台無しにする危険に、常に脅かさなければならない。安心して「尊厳の輪」をつくることができなければ、あなたの人生には基盤がなくなってしまう。
この考え方は、どっしりと自分の人生を送るためにとても大事だと僕は痛感しています。
社会には様々な種類の人がいて、それぞれ違った考え方を持っています。
そんな中で
「私はこんな生き方がしたい」
という自分のマイルールに対して
友人や上司から
「いやいや、こっちのほうがいいんじゃない?」
と言われるたびに、ぶれたり迷ったりしていては、落ち着いて自分の人生を送ることが出来ないのは当たり前です。
そして、「尊厳の輪」をつくる際にはひとつだけ覚悟しておくことが必要です。
本文にこう書いてあります。
あなたは人を傷つけたり、人をないがしろにしたりすることになり、逆にあなたはその人たちから失望させられ、傷つけられ、侮辱されるだろう。あなたはそれらすべての感情に耐える心の準備をしておかなくてはならない。
それが、「尊厳の輪」を構築するために支払わなければならない代償だ。摩擦を起こさずに生きていけるのは操り人形だけである。
この「覚悟」については、私の実体験から説明できます。
私は子供が生まれたばかりの頃(「尊厳の輪」について知る前の話です)
「子供が小さいうちは残業せずに帰宅して、この貴重な子育ての時間を味わうんだ」と心に決めて、残業体質の職場で、定時帰りを強行し続けたことがあります。
この信念を一年くらい貫いた結果
- 周囲からの評価は以前と変わったし(良くも悪くも)
- 「みんなやってんだから、残業したら?」って言われたことあるし
- 出世コースから外れた感じもあるし
- 残業してた頃はフレンドリーだった人が冷たくなりました
- 当然、残業代も貰えなくなりました
こんな感じで、傷ついたり、失ったりしたことはたくさんあります。
たしかに、私の行動はサラリーマンとしては合理的な行動ではなかったかもしれません。
「家族との時間を最大限確保するために、定時で帰り続ける」という「尊厳の輪」は会社員生活全般と摩擦を起こしたみたいです。
しかし、その信念を貫いた結果
- 貴重な家族との時間を確保することができた
- 「残業しないキャラ」が確立した
- 行きたくない付き合いの飲み会や、煩わしい出世競争から抜けだせた
など、得られたものも計り知れません。
そして何より、自分の信念を貫くことが出来た。という満足感みたいなものも得ることが出来ました。
- 尊厳の輪を構築すること
- 傷つく覚悟
この2つを意識して、日々を過ごしてみることおすすめします。
第33章 嫉妬を上手にコントロールしよう
あなたの近所にも交友範囲にも行動範囲にも、必ずあなたよりよい人生を送っている人がいるという事実を受け入れよう。一日も早く、あなたの感情のレパートリーから「嫉妬」を外したほうがいい。
この章では、よい人生を送るために「嫉妬」という感情の取り扱い方について説明されています。
要点はこんな感じです。
- 嫉妬は人生においてほんとに無意味な感情だが、本能に根付いてる
- 極論、人と比べなければいいだけの話
- でも、生きてれば、比較してしまう場面もたくさんある世の中
- だからこそ、嫉妬を上手に操る「工夫」が必要
「嫉妬」の感情を産まないための工夫は、「人と比較せざるを得ないような機会」を避けるようにすることだと書かれています。
本書で挙げられていた具体例としてはこんな感じです。
- ソーシャルメディア(SNS)から大きく距離をおく
- 同窓会に出席するのをやめる
- 住む場所は自分がその地域の「上流階級」に位置する町や地区を選ぶ
Think clearly より 要約
特に、「住む場所を選ぶこと」などは考えたこともありませんでした。
たとえば頑張って給料の上限でローンを組んで、良いマンションの一室を買ったとしても、同じマンションの中には
- もっと良い角部屋や更に上層階にに住んでる人もいるし
- あなたがやっとの思いで払っているローンを余裕で払ってる感じで
- 高級車を何台も乗り回している人が住んでいる
こんなことが現実ではないでしょうか。
そんなときには間違いなく「嫉妬」が生まれるでしょう。
だからそもそも、嫉妬が生まれないように「住む場所」を選ぶことは、有効な戦略です。
第34章 解決よりも、予防しよう
「賢明さ」とは、もっと実際的な能力なのだ。人生の舵をとる技術とでもいおうか。それはまた、人生で起こる困難のほとんどは解決するより避けたほうが早いと気づくこと。賢明さの定義とはつまり、困難に対して予防措置をほどこすことなのである。
この章では、人生における問題に対して
「解決しようとするよりも予防しようぜ!」
といったことが書かれています。
人生の問題を予防する方法が紹介されていましたので紹介します。
一週間のうち、15分でいい。あなたの人生で起こりうる「大きなリスク」について、集中して考える時間を持とう。
〜中略〜
たとえば、あなたの結婚生活が破綻したり、あなたが突然破産したり、心筋梗塞を患ったりしたときのことを想像する。そこから時間をさかのぼって、(想像上の)その大きな問題の引き金となったのは何だったのか、「原因を徹底的に分析する」のだ。またその過程の締めくくりとして、その問題が現実にならないよう、「予測される原因を取り除いておく」ことも忘れないようにしよう。
つまり、未来における問題をリアルにイメージして、そこから逆算して「こうしておけばよかった」という対策を今のうちから、予防措置としてやっておくというやり方です。
この考え方は、私が個人的に大好きな「プレモータム・シンキング」という考え方とほぼ一緒のものです。
将来おこる大きな失敗をリアルにイメージし、逆算して対策を講じることで、その失敗を防げる可能性は高くなります。
ここで大事なのは、「できるだけリアルにイメージすること」です。
リアルにイメージすれば、本当に失敗した気持ちにもなるので、より現実的な効果的な対策をうつことができるからです。そして何より、実際にはまだ失敗していないから落ち込むこともないのが、この考え方の長所とも言えます。
第36章 注意の向け方を考えよう
あなたの体がいまどこにあろうと、あなたの意識は常にあなたが注意を向けている場所にある。どんな瞬間も一度しかない。どこに注意を向けるかを意識したほうが、人生は豊かになる。
この章では、「注意」が「お金」や「時間」と並んで重要な「資源」であるとし、その重要で貴重な「注意」に対して、もっと付き合い方を考えるべきだと指摘しています。
現代は「情報化社会」であらゆる情報が飛び交っていて、それをどんどん取り込むことができます。そして、その状況に対して、著者のロルフ・ドベリ氏は本文中にこう書いています。
私はこう思っている。私たちの前に提示されている「情報」は、実際には贈り物ではなく、略奪行為だ。利益ではなく、損失だと。
情報は私たちに何かを与えているのではなく、逆に私たちから何かを盗んでいる。ネット上でどんなにきれいに見えてもいても、インスタグラムの投稿は略奪である。ニュース速報もメーリングリストも(ほとんどの場合は)同じだ、それらにかかわった途端に、私たちは自分の注意や、時間や場合によってはお金まで奪われてしまう。
ちょっと極端な考え方かもしれませんが、情報が多すぎる感も否めない世の中では、情報を得ることにことくらいシビアでいたほうが、時間もお金も節約できるのかもしれません。
そして、私たちの重要な「資源」のひとつである「注意」との付き合い方は間違っている人が多いと指摘しています
間違いを避けるためのポイントが5つ提示されています。
- 「新しいもの」と「重要なもの」を混同しないようにしよう
- 新しいものは必要以上にもてはやされている事が多い
- 実際のところ、そんなに重要でもない。
- 「無料」のものや「無料」のテクノロジーは避けるようにしよう。
- 広告収入のために「無料」で注意を引きつけようとする罠がある。
- マルチメディアからはできるだけ距離を置こう。
- 画像や動画はインパクトが大きすぎて感情が動く。
- 情報は文字で取り入れたほうがいい。
- 理想は本。
- 注意を「分散」させないように気をつけよう。
- スマホでSNSしている間は、向かいの人には注意がいかない。
- 「弱者」ではなく「強者」になろう。
- むこうから自分でやってきたときは、あなたが弱者
- 広告主や他人に注意の方向をコントロールさせてはいけない。
第39章 「心の引き算」をしよう
「自分の幸せを自覚するために、できることはしたほうがいい。ピアノを弾いているのに、その音が聞こえない状態を想像してみるといい。人生で手にしている多くの幸せに気づかずにいるのは、音を聞かずにピアノを弾いているようなものだ。」だが「心の引き算」をすれば、あなたはピアノの音も思う存分楽しめるようになるはずである。
この章では、私がThink clearlyを読んで取り入れた思考法の中でも、とても使いやすい思考法である「心の引き算」について紹介されています。
「心の引き算」を使いまくることは、感謝の気持ちを高めて、人生をより良いものにしてくれます。
いま、自分が持っているものを、「もしそれがなかったら?」とリアルに想像することで、いまあるもののありがたさに気づき、幸福度を挙げるための戦略。
心理学者の間で「心の引き算」と言われている。
わかりやすい例として、メダリストの幸福度を例に、こう書かれています。
「銀メダル」を獲得したメダリストは、「銅メダル」を獲得したメダリストより、幸福度が低かったのだ。どうしてだろう。なぜなら銀メダリストは、自分を比較し、銅メダリストは自分をメダリストに届かなった選手と比較したからだ。
「なかったものを考えて、幸せを感じる」わかりやすい例ですね。
そして、この「心の引き算」を活用する際の重要なポイントは
「とにかくその状況をリアルにイメージして、その状況に入り込んでしまうこと」
だそうです。
そうすることで、今あるものにより感謝の気持ちが芽生えやすくなるそうです。
「心の引き算」あなたも是非、取り入れてみてください。
第42章 世界の不公平さを受け入れよう
私はこう考えている。世界の「不公正」さは、現実としてそのまま受け入れて、冷静に耐えたほうがいいと。そうすれば、人生を歩むうえで、何度も失望せずにすむからだ。
この章で紹介される考え方は、凡人としてよい人生を送っていくために、覚えておくべき考え方です。
「世界の不公平」を受け入れたほうが、よい人生になる理由は、本文から簡単にまとめるとこんな感じです。
- わたしたちは心の奥底では、世界は公平であってほしいと思っている
- しかし、現実世界は理不尽なもの
- だからその理不尽は冷静に受け入れうべき
- そして、自分自身の日常生活に集中すべき
世界に目を向けなくても、わたしたち凡人にとって、
- どれだけ頑張っても上がらない給料
- 理不尽な上司
- 生まれたときからの経済格差
などなど、不公平や理不尽を感じることは、挙げ始めるとキリがありません。
そんなことに不満を言い続けても、どうしようもないです。
だから、そこはもう諦めて、その状況下で自分にできることに意識を集中することが大事だということです。
本書の結論にはこう書かれています。
世界に公正さを保つためのシステムは存在しない。その事実を思い切って受け入れるのも、よい人生の条件のひとつだ。あなた自身の畑に、つまり、あなた自身の日常生活に意識を集中しよう。
第47章 期待を管理しよう
「期待」が幸福感に決定的な影響を与えるのは、研究に裏打ちされた事実だ。非現実的な期待は、幸福感を大きく損なう。
この章では
「よい人生を送るためには、期待をしっかり管理しようぜ!」
といったことが書かれています。
要点はこんな感じです。
- 脳はあらゆる出来事に対して無意識に「期待」している
- 無意識に出来た「期待」は大きすぎること多い
- 期待が裏切られると失望して、人生楽しくなくなる
- だから、期待を意識的に管理すれば、人生幸せ
期待が大きいほど、裏切られたときのショックは大きいし
期待していなかったのに、良い結果があれば嬉しいことって案外ありますよね。
期待を管理する方法として、この章では、筆者のロルフ・ドベリ氏の独自の方法が紹介されています。
少し長いですが、まとめるとこんな感じです。
まず最初に、頭の中の考えを次の3つに分類する。
- 「しなければならないこと」は必然
- 「したいこと」は願望(好みや目標)
- 「できればいいなと思うこと」は期待
まずは、この3つをしっかり区別することが大事。
そして、それぞれについてこのように考える。
-
- 必然について
- 「絶対にしなければならないこと」は、ほとんどない、(息くらい)
- あなたの「絶対したい」は、実は「必然」ではなく「願望」くらい
- 「必然」が多い人は、人生が窮屈になる
- できるだけ「必然」と思うことはなくしたほうがいい
- 願望について
- 願望は人生を豊かにするために必要
- 願望は「絶対」叶うわけではないことは忘れない。
- 願望を人生の「絶対目標」にしてはいけない
- なぜなら、願望なんて「取るに足りない好み」だから
- 「期待」について
- 失望を感じるのは「期待」の管理不足
- 特に「周りの人たち」への期待
- 基本的に他人に期待しないほうがいい
- 期待は無意識に膨れがち
- だから、ことあるごとに「期待」を10段階評価して、2点くらい引く
- これで、現実的な「期待」になる
- 結果、失望することは減って「よい人生になる」
- 必然について
要するに
- 考えを「必然なのか」「願望なのか」「期待なのか」の3つに分類。
- 「期待」については、あえて2割引きして想定
- 結果、失望が減って、よい人生に
といった感じです。
第49章 自分を重要視しすぎないようにしよう
「自分を重要視しすぎない」のは、よい人生を手にするための基本中の基本だ。それどころか「自分を重要視する度合いが低ければ低いほど、人生の質は向上する」という、逆の相関関係まで成立する。
この章では、良い人生を送るためには、「自分を重要視しすぎないこと」つまり「とにかく謙虚でいること」の重要性が説明されています。
その理由が3つ、本文に書いてありました。
- 自分を重要な存在だと思い込むと「余計な労力」が必要になる
- 自分をよく見せることが目的で何かをやることになる
- 自分を重要視していると、敵を作ってしまう
「自分は社会にとって重要な、影響力のある存在なんだ!」
みたいな感情を強く持っている人は
- やたらと意識高めのSNSの更新頻度は高そうだし
- 意味もなく、少し高級なカバンとか身につけてそうだし
- 「自分」がつよいから、「あいつとは性格が合わない」ことが多い
こんな感じになっちゃう感じも否めません。
本人が楽しくて、ちゃんと社会貢献するのなら良いのかもしれませんが、行き過ぎた自己評価は要らないのは確かでしょう。
第52章 内なる成功を目指そう
私はあなたに、まったく別の「成功の定義」をご紹介しようと思う。少なくとも2000年前から存在している定義で、おまけにこの定義における成功は、社会の評価に左右されることも、通俗的なランキングの対象になることもない。
その定義とは「内なる成功こそが、真の成功」だというものだ。
この章では
「心の内側を充実させることが、人生の成功だよ!」
といったことが書かれています。
要点をまとめるとこんな感じです。
- 「社会的な成功」の定義って、時代によって違う
- 物質的な成功は100%偶然で決まる
- そもそも「外の世界」はコントロール出来ないことばかり
- 金持ちが高級品を買うのも、結局は「心の充実のため」
- 最初から、心を充実させて「内なる成功」を目指すべき
「社会で偶然トレンドになっている「成功」なんて追い求めないで、自分の内側で今すぐ幸せになろうぜ!」
ということです。
しかし、内側だけに全集中することは難しいということも書かれています。
100%「内なる成功」だけを求めて、外の世界の成功をまったく気にしない境地に到達できる人はまずいないだろう。けれども、日々トレーニングを重ねていけば、私たちも「アタラクシア」の理想に近づくことはできる。
ちなみに、「アタラクシア」とは古代ギリシャやローマの哲学者たちが定義した「理想的な心の状態」のことを指すそうです。
たしかに、お金なしで生きていくのは難しいです。
だから、しっかり生活を支えるための活動をしながら、その活動の中や別の時間で常に「内なる成功」を目指して、人生を充実させていくしかないです。
まとめ
以上、私の大好きな本、「Think clearly」の中から厳選した15の思考法を紹介しました。
凡人の私たちが「よい人生」を手に入れるために必要な思考法が詰まっていて、読むたびに新たな発見や気づきを与えてくれます。
本書の「おわりに」に、こう書いてありました。
よい人生がどんなものかを言い表すことはできないが、どんなものでないかは確実に言うことができる。よい人生を送っていない友人がいたら、あなたもきっとそれに気づくはずだ。
本書には、とても参考になる考えが詰まってますが
「活用して、絶対によい人生にしてやるぜ」
と、あまり力を入れ過ぎないほうが、よい人生を手にするための秘訣なのかもしれません。
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